3DCG制作のためのPC解説。
今回は快適な作業に必須の【グラフィックボード編】です。
グラフィックボードとは
グラフィックボードは画面に映像を表示するためのパーツです。
CG制作においては、ビューポートを動かしたりアニメーションを再生したときのカクつき(処理落ち)に関わってきます。
高スペックであるほど描画の処理落ちが少なくなり、いわゆる「ヌルヌル動く」操作性になります。
例えば
大量のオブジェクトを配置している(背景モデルなど)
ハイメッシュのモデルを表示している
高解像度のテクスチャを表示している
逆にスペックが低いと、操作のたびに画面がカクカク止まって表示されるためストレスを感じます。
3Dソフト自体の使い勝手に大きく影響するパーツといえます。
「GPU」「グラフィックカード」「グラフィック」とも呼ばれます。
特別なパーツ?
グラフィックボードはすべてのPCに搭載されているわけではありません。
市販のグラフィックボード
グラフィックボードのラインナップは大きく以下の3つに分けられます。
- GeForce :ゲーム制作向け
- GTX :手頃でメジャー
- RTX :ハイエンドだけど高価
- MX :モバイル用
- Quadro :映像制作向け
- Radeon :汎用型?
CG制作向けならGeForceのGTX系が定番です。
GeForceシリーズ
nVidiaが開発するグラフィックボードです。
ゲーミングPCでの採用率が高く、3Dゲームに最適化されています。
ゲーム会社の開発現場でも大半のPCはGeForce系のグラフィックボードが使われています。
2020年4月15日現在、ゲーミングPCで採用されている主なグラフィックボードは以下のようになっています。
ほとんどGeForceシリーズです。
上からスペック順に並んでいますね。
(最下のRadeonは別。 RX580はGTX1060と同じくらい)
Quadroシリーズ
同じくnVidiaが開発するグラフィックボードで、こちらは映像制作向けの製品です。
クリエイターPCでの採用率が高く、GeForceの上位版という位置づけで非常に高価です。
3D描画に特化していますがゲーム開発には最適化はされていません。個人レベルで使うには価格に見合った恩恵がなくオーバースペックな製品です。
Radeonシリーズ
AMDが開発するグラフィックボードです。
GeForceの競合製品で基本スペックも似ています。
CG制作で使うことができてGeForceよりコスパが良いので、個人用途なら検討してみても良いかと思います。
ゲーミングPCでの採用率は低く、開発現場で使われている例は少ないです。
GeForceのラインナップ
GeForceシリーズの中にも種類とバージョンがあります。
- GeForce GTX :スタンダード
- GeForce MX :モバイル
- GeForce RTX :ハイエンド
GeForce GTX
最もスタンダードなシリーズです。
一般的なCG開発の現場で広く使われています。
GeForce MX
モバイル用のシリーズです。
「最安クラスのゲーミングPC」「ゲームもできるビジネスノートPC」に搭載されています。
3D制作をするには少し非力なのでおすすめしません。
GeForce RTX
2018年に発表されたGeForceの最新シリーズです。
GTXに比べてハイエンドな表現に向いていますが高価です。
Quadroと同様、個人レベルで使いこなすには少しオーバースペックかもしれません。
3DCG用グラフィックボードまとめ
ゲーム用途ならGeForceほぼ一択
CGの学習用途ならGeForce GTX 1050Ti以上がおすすめ
ちなみにこんなツイートも参考になります。
昨日、唐突にグラボがお亡くなりになりました…
こんなに突然逝っちゃうんですね~😭と言う事で新グラボはgeforce RTX 2080Tiにしてみました。
今までライティング込みだと表示がガクガクだったEx-S君がスイスイ動くように!
これでモデリングが捗る😂 pic.twitter.com/qSlRuC5sRR— Eske Yoshinob (@EskeYoshinob) February 10, 2020
こうしたリアル系質感のモデルをグリグリ動かして作業する、となるとRTX系が力を発揮します。
好きなものが作れるようになって3Dの表示に不満が出てきたら、グラフィックボードのグレードを検討してみると良いです。